|
|
ひょんなことからノズコレにスペーシア660CVT-FFが与えられた。
JC08モード燃費29.0km/Lの低燃費カーである。これまでの走行距離1万km余の平均燃費21.7km/Lと表示されているが、彼のハートを熱くさせたのは最大50km/Lまでの瞬間燃費表示ができる機能付きということだった。
12年前の記憶がふつふつと甦ってくる。
10・15モード燃費19.6km/Lのヴィッツ1000cc-4ATにより瞬間最大風速並みの計測で、高速道路14km区間の平均燃費34.6km/Lの記事をリリースした。
ヴィッツよりスペーシアのほうがカタログ燃費は良い。しかもデジタル燃費計を買わずとも瞬間燃費を見ながら運転が可能。
どノーマルのスペーシアをイジれば、30km/L台はいけるんじゃないかなぁ。
スイッチが入った。
地元で走り慣れた浜松1号線〜表浜街道の燃費用テストコースを延長した119.8km区間で、自作の燃費向上グッズを装着したクルマを走らせる。
1回目のガソリン消費量3.88L。
リトライ2回目のガソリン消費量3.58L。
つまり一般道120kmの平均燃費33.5km/Lということ。
ついにやった! 3リッターカーの誕生である。 |
|
|
なぜ、実用燃費で3リッターカーが実現できたか?
横浜で4年間の武者修行を終えたノズコレが地元浜松の某集会で、貴宝石パウダーをコーティングしたデュアド・ラジエタータイプの新作を発表する。
テスト車のスペーシアで、120km区間の平均燃費30.5km/L。
参加者は、ほぼ無反応。数字の意味が理解できていないようだ。
しかし次期アクションのヒントとなる収穫はあった。
「トルマリンの取付け面積を大きくすれば良いのでは?」の意見にこだわることが新作作製の糸口になりそうだ。
軽自動車のエンジンルームは狭い。トルマリンシート+銅板増量の単純な発想で電気エネルギー増大を図る処置はデュアドスパイラルで卒業済み。
第一スマートではない。
材料の量を大きくさせるのは、材料費がかさむこと。トルマリンシートも反射材の金属板も、決して安価ではないのだ。
ずーっと前、レガシィ1800cc-4WDツーリングワゴンで高速100km区間の平均燃費20.0km/Lを突破したときのヒントを頂いた燃費の先生と連絡をとるノズコレ。
「JC08モード燃費はご存知ですか? 停止時間を長くとると、クルマメーカーはアイドリングストップ機能を付けて対抗します。だからカタログ燃費の数字は本当の数字ではありません」
思索の日々が続く。 |
|
|
スペーシアに装着している燃費向上グッズはただ一つ。
彼の新しい自信作である、貴宝石パウダーをコーティングしたデュアドRタイプKだけである。
120km走行の平均燃費30.0km/Lオーバーは、悪くない数字。しかしノズコレは満足しない。
(まだまだ伸びしろはある!)
デュアドのさらなる改良が始まる。
かつてのチタンパッチの銅板ベタ貼りからt0.1mm純チタン板に変更してから燃費向上やドライブフィーリングは鮮明なものとなった。燃費も確実に向上した。
現状サイズのまま、燃費向上性能を良くするにはどうするか?
そうだ! 反射材だ。
デュアドシリーズの売りは反射材だ。トルマリンと銅板の積層からなる電気エネルギー源は、非凡なポテンシャルを持つ。t0.1mmでは、完全な反射はできていないのでは?
かくして反射材の板厚アップへ動いていく。 |
|
|
新作作製のGOサインが出た。
善は急げ! 鉄は熱いうちに打て! スープは冷めないうちに飲め!
ノズコレは体の芯がカッと熱くなるのを感じた。久しぶりの感触である。
こういう時に頼りになるのが、ネットストア。
とにかく注文してから自宅到着が早い。タイミングが良ければ、発注してから翌夕方には宅配便が届いている。
チタンやジルコニウムのような特殊な金属は、浜松市内で売られていない。アルミニウムや銅の販売を扱っている、地元では有名な林角商店に尋ねて知ったのが、東京のニラコだ。研究用基礎材料の純金属が欲しいならココしかない。
銅板入手なら、IHCモノタロウ。
ダイソーでおなじみの「虫ヨラズ」一本で、長らく自作を行ってきたが、幅40mmから50〜70mmにサイズアップが不可欠となり新たな入手先を検索していた。
そして、IHCモノタロウに落ち着いた。
t0.1×365×600mmの商品で@1,609円(送料別)の安さだ。
が、積層構造からなるデュアドを2〜3セット作れば、すぐになくなってしまう。 |
|
|
画像は、2本のラジエターホースに装着するデュアドRタイプの素顔。
たかだか幅50×100mm長のサイズで銅板とエコ・トルマリンシートを交互に5,6段積層した作りだ。初めて見る人は不思議に思われるであろう。
(こんなチンケなモノをエアダクトやラジエターホースに巻くだけで、燃費が20%や40%も変わるなんて……)
しかし積層板の一番上に、極めて電導度の低い物性を持つ金属板を重ねることで、積層板にガッツ魂を吹き込むことができるのだ。
これがデュアドの凄さ!
それまでは発明貧乏の悲しさから、購入価格が安い厚さt0.1mmの純チタン板や純ジルコニウム板に限定していた。この厚さで十分な効果があった。
けれども殻を破らなければ、新作は生まれてこない。
よって、厚さt0.1mmからt0.2、0.3mmと増やした試作品を作る。
地道でこつこつと、辛抱強い作業の繰り返し。
作っては燃費トライ。
また考える。
また作る。
そうしてブレイクスルー。 |
|
|
新世代デュアドRタイプは、外観もNEWでなければなるまい、とノズコレは思った。
いかにも「高性能ですよ!」「新性能ですよ!」とアピールする要素が欲しい。
素顔のデュアドRタイプをカラフルな布テープで上下面とサイド面と全面を覆うことを考え付いた。
というより、反射材をt0.1mmからt0.3mmの厚さに変更したので、本体の曲げのコシが強くなり、容易に曲げ癖を付けられなくなったのだ。カーブを描くようにしなければラジエターホースにフィットしない。密着性がよくなれば、十分な燃費向上効果も得られるというわけである。
作製途中では、素顔のデュアドRタイプを手で曲げ癖をつけつつ、サイド面を布テープで貼り固めていく。型ができたら、上面と底面を同色のテープで覆い、仕上げる。
反射材チタン使用時は、赤色。
反射材ジルコニウム使用時は、銀色。
「225」とは、百位「2」がジルコニウムの意、十位が反射材の厚さt0.2mm、一位が本体幅50mmのサイズを示す。 |
|
|
t0.3mmジルコニウムの反射材使用のデュアドRK235を装着したスペーシア660CVT-FFでテスト走行に繰り出す。
新作テストの度に、ノズコレは高揚感を味わう。
まるで少年時代に戻ったかのようだ。
燃費テストコース120kmは東名高速浜松IC近くのガソリンスタンド満タン給油を終えてスタート。国一バイパスを一路、豊橋方面へ。
左手にある中田島砂丘を通過した南区倉松町あたりで、渋滞に遭う。平日の正午過ぎはいつもこんな状態なのかと彼はいぶかる。
ノズコレは渋滞が大嫌い。
幸いスペーシアにはアイドリングストップ機能がある。
適時、エンジンストップ。
ヴィッツ1000cc-4ATを愛車としていた当時に、アイドリングストップとは考えられないことだった。12年間のクルマの進歩は著しい。
渋滞は苦々しいが、「S」の看板が彼の心を癒す。 |
|
|
スペーシアは国一バイパスの静岡県境で、愛知県国道42号線通称「表浜街道」にステージを変える。
渥美半島を縦断しながら伊良湖岬めざし走り続けるが、起伏の多さは、さながらロング・アンド・ワインディングロード。しかしビートルズの楽曲のようなスケール感はなく、限りなくライト感覚で突き進む。
表浜街道は、適度のカーブと起伏の連なりのある走り甲斐のある道路と、ノズコレは考えている。
アクセルON-OFF、ローリング。辛抱強くアクセルを同じポイントで踏み続ける。
道路状況の前後左右を確認しながら、視線はスペーシアの瞬間燃費表示へ。
チェックを怠らない。
走行50km地点前後の愛知県田原市境の通過で、テスト走行の前半の山場を抜けたので、張り詰めた緊張を抜く。
これから折り返し点の道の駅「田原めっくんはうす」までラフに走る。 |
浜名バイパス2 |
|
今日に限ってというわけではないが、台風6号が本州に接近中。
浜名バイパスは往路も帰路も太平洋からの横風が強い。スーパーハイト系でアンダーパワーのスペーシアに、大自然は茶々をいれたいのか、そっと悪戯を仕掛けてくる。横風に負けまいとハンドルに力が入る。
帰路の浜名バイパスの交通量も多い。大型、輸送トラックが7割強を占める。
渋滞にも負けず台風の影響にも負けず、スペーシア660CVT-FFはひたすら走り続ける。
小さなクルマでも未来は大きく広がっている。 |
スペーシア660CVT-FF |
|
反射材のジルコニウムを従来の3倍の厚さにした新作燃費向上グッズ装着で、一般路120kmを走り切る。
スタートと同じガソリンスタンドで停車。同一給油機、同一給油ノズル。満タン指示のセルフで、カチッとオートストップの働く給油の計測方法で、3.58L消費。
今回のドライブでは、瞬間燃費表示が40km/L台がしばしば見られた。
だからノズコレはスペーシアのレコード更新を確信していた。
が、33.5km/Lは予想以上だった――。
どノーマルのスペーシアに単一の自作燃費グッズ装着で、3リッターカーを達成!
スズキ社の設計者たちはこの事実を知ったら何と思うのだろう!?
クルマメーカーが追及するのは、クルマの基本設計からなる新たなカタチ。
燃費向上グッズは、未開拓のエネルギー変換ロスに、グサリと突き刺す一本の刃。
モノは小さくとも未来には限りない可能性が待っている。 |
【付録1】善光寺楼門 |
|
浜松市在住の長野県人にご挨拶。
「先日、信州善光寺『御開帳』に行ってきたよ」
「そう、良かったね。でも長野というとコレしかないんだよ」
と、屈託のない笑い。
いやいやいや(『あまちゃん』風に読んでね)、ソレだけあれば十分デス。
平成27年は、数え年で7年に一度の善光寺御開帳の年。地元バスツアーの旅行チラシでは、トップ掲載されているので、春先から、そわそわしている私でした。
約2か月の行事期間の終わり頃、やっと願いが叶ったのでした。
秘仏である御本尊の御身代わり「前立本尊」が、本堂で一般公開。御本尊をじかに拝観できれば、来世は極楽に行ける御利益があります。
5月下旬の当日は好天に恵まれ、陽射しも初夏のように強め。表参道は、人人人。
涼しげなハナミズキの街路樹がある長野市街地の外れのここだけは例外で、参拝客の熱気が渦巻いている。
やがて善光寺の入口である楼門が出迎えてくれる。
この山門は桁外れに大きい。 |
【付録2】善光寺の鳩文字 |
|
名のあるパワースポット巡りをすると、そこの神社仏閣だけの秘密があることを知ります。例えば天満宮(天神さま)には寝そべった牛がつきものです。北野天満宮の牛は拝殿を見上げれば、そこに四足で立っているのをソッと教えてくれます。
信州善光寺の山門の額の「善光寺」は、鳩文字で有名。
通称「鳩字の額」。
5羽の鳩が隠されています。「善」「光」に2羽ずつ。「寺」に1羽です。
鳩に御縁があると思いきや、山門の屋根の下一帯は網に覆われていて鳩の糞害対策が施されています。
とはいえ平和の象徴である鳩は大切に保護されており、かつては参道のお店で鳩の餌が売られていた時期がありましたが、現在は販売禁止。糞で建物の銅板などが腐食するので、これも鳩対策のひとつ。
糞害ならぬ憤慨(笑)。
他に「善」が牛の顔にみえるお話があります。
牛に御縁があるので、「牛に引かれて善光寺参り」とは?
昔、心の貧しい婆さんが牛の角に布を引っかけたまま走り出したので、後を追っかけたら善光寺に辿りつく。それがきっかけで度々、善光寺参りをすることで、改心して信仰の道に入ったとさ。
めでたしめでたし。 |
【付録3】善光寺御開帳 |
|
本堂内部は、左右中央の3つに区分けされており、右側に並べば、前立御本尊にお目にかかれます。行列が長すぎて無理な方々のために、本堂前に「回向柱」(えこうばしら)が設けられていて、御仏の右手に結ばれた金糸が、白い善の網となり回向柱につながっています。
行列の中で回向柱に触れてきました。
俗世界では「悪運が強い」と言われる私ですが、これで極楽往生の功徳が得られるというものです(笑)。
なお本堂は、間口23.89m、高さ25.82m、奥行き53.67mの比率が示すように、極端に奥行きが長い。表参道からの外観の重厚感や荘厳感だけではなく、第一印象だけでは説明できない内容を含んでいるのが、信州善光寺の特徴。
むろん、本堂は国宝に指定されています。
現世で実現したいと私が思っていたこと。
富士山頂登頂。
日光東照宮と伊勢神宮参宮。
そして信州善光寺参り(笑)。 |
【付録4】ドローン飛行禁止 |
|
今年の善光寺御開帳で、ある事件が話題になり、それが原因でそれ以降の参拝者が増加したことを追加掲載しなければなりません。
それは首相官邸の屋上に落下していた「ドローン」のこと。
こんどは長野県の善光寺御開帳の法要中に、ドローンが落下。人に当たらなかったことは幸いです。私が参拝したときは、画像のように参道に告知看板が設置されていました。でも人々は無関心の様子。
ドローンといえば、米空軍の無人航空機をイメージします。
イルカのお化けのような味気ないスタイルのアレ。
月刊ムー誌で見たドローンは、惑星探査機のような細長くてメカむき出しの不気味な外観をしていました。
昨今のドローンは、マルチコプターの小型無人機が一般に浸透しています。
悪用されて一番困っているのは、ドローン自身ではないでしょうか!? 農業用、立ち入り困難な空撮など利用価値の高い飛行体なのに、すっかり悪物扱い。悪いのは、それを取扱う人間なのに。 |