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「ノズコレ流6輪生活」がスタートして4年目を迎えようとしています。メインは、4輪のタウンエースバンGL-1.5L4AT。パートナーとなる2輪車は、電動アシスト自転車のパナソニックハリヤ。
6輪生活の先行イメージでは、クルマで目的地に到着したら、まず駐車場で休憩。タウンエースの荷室から電動アシスト自転車を降ろし、それを現地散策の足として活用するというものでした。
アグレッシブで我ながら考え方は悪くはないと思います。ハリヤは電動アシストだから、坂道でも中距離でもスイスイ行けてスピーディに現地レポート活動ができます。けれどもリチウム電池+26インチタイヤのために重い車体重量が禍いして、ドライブの平均燃費に影響が出てきて、徐々に出番がすくなくなって。
燃費悪化になってしまった教訓を生かし、軽くてチョイ乗りができる折り畳み自転車が欲しい。
そうした経緯の結果に、新たな2輪パートナーを得る流れとなりました。 |
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上の画像の左側にある、グレーのカゴ付き20インチ自転車が新パートナーです。THREE STONE製型式AJ-08。
値段が手ごろで、20インチタイヤの折り畳み式、変速機付きが必須条件の自転車を、ネット販売で検索すること2週間。あれこれと各社商品のスペックを比較検討していると、希望している商品が見えてくるものです。
まず、車両本体の重さ。
購入価格1万円あたりとすると、6kgくらい。もっと軽量級が欲しければ、アルミニウム製がありますが、価格がぐんと跳ね上がります。
坂道の多い横浜市在住の頃は電動アシスト自転車のチョイスが正解であったが、パンクに悩まされました。
だからノーパンク車はどうかというと、商品が極めて少ないのです。後付け処理でなんとかなると考えて、これもパス。
画像は、購入した自転車のフレームに溶接されている小三角形のパイプ部分のクローズアップ。車体の剛性向上のほかに、ヒョイと持ち運べる取っ手代わりになります。
これがベストチョイス。ベストバイ。 |
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浜名湖七福神めぐりは、浜名湖七福神事務局のある湖西市新居町の鏡光山応賀寺(きょうこうざんおうがじ)からスタートするのが、私のスタイル。本寺では、A3判の専用の朱印色紙を購入しておきます。色紙@1,500円だったかな?
応賀寺の山号は鏡光山。
したがって、「鏡光山応賀寺」と記すと、功徳やご利益が増強されそう。その昔、弘法大師が諸国巡錫のおり、浜名湖を渡ろうとするとき、強風に見舞われ、闇夜に漂流する災難に遭われます。
そのとき、はるか対岸に一条の光を認めることにより、目標の地にたどり着いたとされています。係る寺こそ、山号を光る鏡の山、喜びに応ずる寺の名づけの元になったそう。
まずは、本堂のご本尊の薬師女如来を拝み、七福神の恵比須神(えびすがみ)に両の手を合わせます。恵比須神の御利益は、大漁満足、商売繁盛、五穀豊穣なり。律儀の徳。 |
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食生活に気を使っていたことが、徳川家康の長寿の秘訣と言われています。
家康公が好んだ遠州地方の三大特産品は、「三ケ日みかん」「浜名湖のり」「浜名納豆」とされます。この浜名納豆の発祥の地が、浜名湖七福神霊場の一つである、瑠璃山大福寺(るりやまだいふくじ)です。
大福寺の所在地は、浜松市北区三ケ日町福長220-3。手を広げたような形の浜名湖で例えるなら中指の先の方、奥浜名湖に位置しています。
浜名湖七福神めぐりのドライブで、国道301号線を北進しながら、東名高速道路と新東名高速道路が交わるあたりまでいくと、金剛力士像を左右に配した仁王門が現れます。
鎌倉時代の歴史的建造物に礼拝の念を示し、今、走る舗装道路は右に湾曲して迂回しています。画像は、静岡県指定文化財の仁王門の後ろに、タウンエースを駐車しての1枚。門のむこうに愛車が見られます。
大福寺には、布袋尊(ほていそん)が祀られています。
信じて念じれば授かる御利益は、和合の徳なり。家庭円満、金運招福。
すなわち、愛敬富財。 |
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「浜名湖七福神めぐり」に選ばれている七福神霊場は、高野山真言宗の寺院七カ寺から構成されています。
恵比須神の応賀寺、布袋尊の大福寺の二寺を紹介してきましたが、ここで一休み。
大福寺駐車場に設けてある看板の「浜名湖 湖北五山」について説明します(画像参照)。〇〇寺の前には山号がつけられていて、「〇〇山△△寺」と詳名します。
遠州地方の奥浜名湖あたりの神社仏閣はお寺の数が多く、「湖北五山」とは、奥浜名湖に集中し歴史のうえで奈良時代から江戸時代の創建・建立された名所や旧跡のうち、厳選された五つの名刹の総称です。
浜名湖七福神めぐりで選ばれ、かつ湖北五山でも選ばれている格式の極めて高い寺院は、二つ。
浜名納豆で有名な大福寺と、大黒尊天(だいこくそんてん)が祀られている大乗山摩訶耶寺(だいじょうざんまかやじ)が、それです。
摩訶耶寺は、個人的思い入れが強いので、【付録】で紹介します。
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七福神めぐりの第4番目に訪れたのは、寿老尊天(じゅろうそんてん)が祀られている光岩山長楽寺(こうがんざんちょうらくじ)。
大福寺、摩訶耶寺から浜松市北区細江町気賀にかけてのドライブコースは、晴天に恵まれ快適そのもの。
さて、国道362号線から脇道に折れ、やさしい桜色の横長看板にひかれて長楽寺駐車場へ。
そこから山合の細い石段を上るにつれ、山門、土塀や客殿にいかにも風格があり、
江戸時代以前の建築物と知れば、納得されるに違いありません。
京都の有名寺院のような広大な規模ではないが、こぢんまりとした中庭の奥のお堂に、めざす寿老尊天が祀られています。ご利益は、長寿の徳。寿老尊天は、道教の祖・老師の化身のいいつたえがあります。
長楽寺といえば、遠州三名園の一つ、満天星(どうだん)の庭が有名。
しばし客殿の間より小堀遠州の回遊式庭園を無心で眺めていると、いつしかリフレッシュされた自分に気づかれるかもしれません。
四季折々の表情を変える彩り豊かなドウダンツツジの築山は、一番の見所。また築山の手前の池は、浜名湖の景色を凝縮させたものです。 |
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浜名湖七福神めぐりの第5番目は、浜松市浜北区根堅にある龍宮山岩水寺(りゅうぐうざんがんすいじ)です。奥浜名湖沿岸のルートを離れ、天龍浜名湖鉄道に沿った国道362号線を走っていきます。
岩水寺の所在地は、静岡県森林公園の入り口にあたるでしょう。寺院前の駐車場に到着後、境内を貫く道路を通り、本殿の真後ろに回り込む位置には、奥の洞穴(鍾乳洞)を通って長野県の諏訪湖まで続くとの伝説が残る赤池(閼伽池)があります。「閼伽」(あか)とは不浄を浄化するという意味があり、転じて、この赤池の霊水により開運の道が開かれるとのこと。
岩水寺の功徳は、家内安全、安産・子宝、開運厄除け。地元の人々には、授かった赤ちゃんの命名は本寺に依頼することで、広く永く生活に根付いています。
岩水寺の七福神は、福禄寿尊天(ふくろくじゅそんてん)。大望の徳。
山門を通った本殿前に祀られています。長い頭に長い髭、杖を持つのが特徴。「福禄寿」の三文字は、福=子孫繁栄、禄=身分財産、寿=健康長寿を表したもの。
あらためて、嬉しいことばかりの神さまです(笑)。 |
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奥浜名湖をぐるりと巡り、クルマは浜松市々街地へ。
甲江山鴨江寺(こうこうざんかもえじ)の所在地は、JR浜松駅を西進し、中部電力の建物を右手に通過してさらにおよそ300m走った交差点角に接しています。鮮やかな朱色に塗られた仁王門がお出迎え。
鴨江寺は通称「鴨江観音」と呼ばれ、春秋2回の彼岸の「お鴨江まいり」がとくに有名です。
さて目指す浜名湖七福神の弁才尊天(べんざいそんてん)は、仁王門を通り、右手のお池のなかの小島の弁天堂に祀られています。画像のように、橋を渡り賑やかな緑色の浜名湖七福神の幟(のぼり)が目印。お堂内には、琵琶を奏でるお姿が見られます。
知恵の徳を授かる弁才天の御利益は、芸能、音楽、弁舌、知恵。または「弁財天」と書かれ、財や富をもたらす神さまとして信仰されています。
読者のみなさんが、作家やアーティストになりたいと思われているのなら、この神さまをお勧めします。
弁才尊天は、七福神の紅一点。インドの女の水神サラスヴァテーがルーツ。 |
遠州信貴山別院 |
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浜名湖七福神めぐりの最終の第7番目は、遠州信貴山別院(えんしゅうしぎさんべついん)。あらためて浜名湖七福神霊場は、高野山真言宗の寺院七カ院から構成されています。
さて本寺院の福神は、勇気の徳を授かる毘沙門天(びしゃもんてん)です。
毘沙門天は、仏教における天部の仏神で、四天王の一尊の数えられる武神のポストにあります。そのいでたちは、鳥型の兜、七宝の甲冑を身にまとい、宝塔を手にし、邪気を踏み従え、憤怒の相。ほかの福神が福々しい外観表情なのに、唯一、荒々しい独特な雰囲気があります。それもそのはず、武神かつ財宝神だから。
毘沙門天の御利益は、家内安全、福徳開運、商売繁盛。
画像は、浜松市中区中沢町の遠州信貴山別院の本堂前。 |
本日の燃費レポート |
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浜名湖七福神めぐりは、起点の応賀寺から終点の遠州信貴山まで、クルマで80.7km走行。新しい2輪パートナーを積み込んだタウンエースGL-1.5L4AT(カタログ燃費12.2km/L)の今回燃費は、13.89km/L(補正なし)。
2日間に分けた七福神めぐり本番に燃費計測用のデジタル燃費計(OBD Driver)のスマホ設定が間に合わず、今回燃費の数字は後日、同一コースのリトライ走行となりました。
走行コースの内訳は、湖西市新居町中之郷の応賀寺〜大福寺(21.6km)〜摩訶耶寺(23.4km)〜長楽寺(36.9km)〜岩水寺(57.5km)〜鴨江寺(77.3km)〜遠州信貴山(80.7km)となります。
※(カッコ)内数字は、各地点のトリップメータ表示。
晴天でも2月の気候だから、強めの遠州空風(からっかぜ)を受けながらの奥浜名湖経由の走行でした。平坦ではあるが、スカイブルーの青空、こんもりとした森林の渋めの緑、浜名湖の群青色に囲まれて、まったりとしたドライブ。
雑事に追われる365日のなかで、わずかでもこんな一日を持ちたいものです(笑)。 |
【付録1】大乗山摩訶耶寺 |
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浜名湖七福神めぐりで参拝する寺院はすべて、高野山真言宗の宗派から成り立っています。いずれの寺院は奈良から平安初期の開創の古刹。寺院内には、仏像、庭園、美術品などの歴史的貴重文化財が納められ、一度、来山すれば、古(いにしえ)の世界に入り込んだような気持に浸ることができます。
【付録】で今回取り上げたのは、大乗山宝池院摩訶耶寺(だいじょういんほうちいんまかやじ)です。本堂受付に置かれているパンフレットにある「いにしえの御仏に出会える寺」のコピーどおり、千三百年前の静止した時空を感じ取れる寺院といえるのが、スポットを当てた理由の一つ。
まず、本堂の御本尊「聖観世音菩薩」を拝むと、その右手には、福々とした大黒尊天(だいこくそんてん)が祀られています。
見上げた本堂格天井図は、法橋関中の筆になる、その昔さぞや目を見張るような鮮やかな極彩色であったであろう花鳥は、見所。本堂左手の通路の奥にある宝物殿には、阿弥陀如来像(静岡県重要文化財)、不動明王像(国指定重要文化財)、珍しい木彫りの千手観音像(国指定重要文化財)が祀られています。
庭園、宝物館の拝観は有料。 |
【付録2】摩訶耶寺庭園 |
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摩訶耶寺境内の一番の必見スポットといえば、山門、護摩堂、本堂に周囲が囲まれた日本庭園でしょう。日本庭園とは「自然の景観を人工的に構成した日本の造形空間」と、広義の意味がありますが、現世の人々が想像して具現化した来世の世界との解釈があります。
鎌倉時代初期の作庭と推定される摩訶耶寺庭園は、ゆったりとした築山構成と石組み群で具現化しているのは、蓬莱の世界。
蓬莱とは、人間の住む俗世界を離れたところの仙人の住む仙境を意味しています。
本寺院とは約15km弱離れたところにある、同じ浜名湖七福神霊場の長楽寺(画像参照)の回遊式庭園は、小堀遠州の作といわれています。庭園の作風の違いには、驚くというよりいくらかの感動を覚えます。
摩訶耶寺庭園は、日本の中世庭園を代表するもので、座視鑑賞式池泉庭。
本庭園は、四季折々の表情が観られる鑑賞の仕方がありますが、夏から秋にかけて、緑の燻りかけた時季が一番とは、詳細にたける地元の声。 |
【付録3】墓地とイトスギ |
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筆者の感性に何かしら共鳴するものがあり、摩訶耶寺境内でデジカメを持って、会心の一枚を模索していました。宝物殿の端まできて足を止めると、目の前には大きな火の玉が燃え盛っているような形容が似合うイトスギの巨木があります。
探していたのは、コレに違いありません。
画像は、すかさず撮った数枚のうちのベストショット(自己満足です)。
奥浜名湖地域のゆるやかな斜面に造られた墓地。墓石の白さと猛々しいイトスギの樹勢のエネルギーの奇妙な調和が、ノズコレ的視野に映ったのです。
イトスギの花言葉を調べました。死、哀悼、絶望、永遠の悲しみ、不死、再生。欧米で、イトスギが死や喪の象徴とされているのは、イエス・キリストが磔にされた十字架が、この木で作られた伝説によるとされています。
イトスギ=死といえば、ゴッホ「糸杉と星のみえる道」やアルノルト・ベックリン「死の島」の作品が連想されます。
引き続きチェックしてみて、イトスギが墓地によく植えられるのは、文化や宗教と関係が深いとのこと。
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