残念ながら明確な回答は得られなかったようなので、ある程度推測で話しを進めるしかありませんね。
まず、内部抵抗を持ち出した理由について、ピンとこない方ははこちらをお読みください。
それからこの商品は、部品をすべて自社開発したものでなければ、スーパーキャパシタという名称からしても、こちらの製品または類似品と考えていいでしょう。このような製品を開発製造するには膨大なコストがかかりますから、グッズ・メーカーではとても不可能であると考えられます。したがって、部品は外部から調達していることは間違いありません。
資料によると、このスーパーキャパシタの内部抵抗は500mΩ以下とあります。温度などのよって変化するためメーカーも以下としてあり、「コンデンサ内部抵抗値は測定条件によって大きな差が出るため公開しておりません。」というのでしょうけど、500mΩとは、0.5Ω、つまり乾電池並の内部抵抗で、どうがんばってもバッテリの内部抵抗0.01Ωとは比較になりません。
容量は2606820μFと書かれるとすごい容量のように思えますが、要は2.6Fです。そして、バッテリの容量はFで表すとざっと数万Fとなります。つまり、乾電池並の内部抵抗でバッテリの数万分の1の容量の商品の定価が約40,000,000,000μ円ということです。
この商品がバッテリより優れている点は、バッテリが苦手とする急速充電が可能なため、ハイブリッドカーに使用した場合、回生ブレーキによる充電効率が高いという点だけでしょう。実際にハイブリッドカーに採用されているかどうかは知りませんが。
メーカーでは、エンジンパワー/トルクの向上、スムーズなエンジンスタート、ヘッドライトの照度アップ、オーディオの音質アップなどを謳っていますが、そもそもバッテリよりもはるかに応答性の悪いものを付けて、いったい何が向上するというのでしょうか。しかも、この容量ではセルモーターなどびくともしないでしょう。音質アップなんてとんでもありません。長寿命というところだけは本当なのでしょうけど、これなら大容量の電解コンデンサでも使ったほうが理論上はまだましといえそうです。
この商品に使われているスーパーキャパシタが自社開発の夢のようなコンデンサでないかぎり、このような結論になると思いますが。実際に使ってみた方、いかがでしょう。催眠が多少は解けたでしょうか。
今回もまた、全国で数十人規模の被害者が出る模様です。あえて被害者といわせていただきましょう。たとえ本人が幸福になったとしても。幸福の壺を売る者も求める者も後を絶たず。
P.S.例の燃費工場の社長とも電話で話しをしましたが、ひどいものでしたよ。こちらの質問に絶句して答が返ってこないんですから。こちらの話しはまた後ほど。
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